福祉クラブ生協

バックナンバー2

バックナンバー4

バックナンバー5


バックナンバー3内容
(04.12〜05.8)

「子育て支援地域展開モデル作成プロジェクト」

介護保険改革と自治体の対応

動き出す「福祉有償サービス運営協議会」

2005年を自分たちの手で描こう

もう1つの住まい方研究大会
住まい方を暮らす立場から提起する

「2004神奈川県生協大会」が開催された

市民福祉情報
バックナンバー3

●子どもを取り巻く環境・課題解決に向けての運動と事業─
「子育て支援地域展開モデル作成プロジェクト」を立ち上げ、本格的な取り組みを開始 

 4月7日、福祉クラブにおける「子育て支援地域展開モデル作成プロジェクト」立ち上げに向け、伊藤保子氏(NPO神奈川W・Co連合会副理事長、NPOW.Coさくらんぼ理事)を招き、福祉クラブ理事会主催で学習会を開催しました。

 現代の子どもを取り巻く社会状況は、核家族化に始まり、女性の社会進出の拡大、予想以上の出生率の低下(1.29%)、晩婚化、地域コミュニティの弱体化など、社会現象を含め、さまざまな課題を生み出してきています。
 
第1に今日では母親がひとりで子育てを背負う状況にあります。地域の人々の、子育てへの関わりが消え、核家族化が進み、性別役割分業が進み、それ以前に地域や家庭に普通に存在した「みんなで育てる」ということがなくなりました。
 
第2に高度成長期以降(1960〜)に誕生した世代は核家族家庭で、少子環境の中で育ち、成育歴の中で赤ちゃんや小さな子どもに触れた経験がなく、「子ども」の実感が湧かないという現象が起こってきています。
 そして現代社会の環境は、「買い物」一つを例に取っても、個人商店で会話をしながら買うという行為ではなく、スーパー、コンビニ、ネットショッピンのような、便利ではあっても、直接的コミュニケーションを必要としない社会を生み出し、孤立化とストレスは増大し、社会生活の能力を鍛える場(地域コミュニティ)を失ってきています。
 これらの状況を実際に子育て支援事業を行っている現場の事例から再度3つに区分してみます。

|子育て世代(親)は、核家族化の第2世代なので子育ての知恵が伝承されにくく、育児書頼り。実体験がないことで育児不安(ストレス)に陥りやすい。母子カプセル化、二重保育、就労支援(保育態勢)の不足など。
}子どもからの視点では、自然発生的子ども集団の経験や遊びの経験不足、過干渉、孤食、長時間保育、遊び場不足など
~環境からの視点では、ほど良い隣近所の関係の希薄化、孤立化、育児休業制度はあっても就労者の休めない現状、保育園の不足、相談機能やレスパイト(緊急避難)サービスの不足など。

 これまで、福祉クラブでは若い人たちへの支援は家事介護サービスを中心に行われてきました。しかし、少子社会、次世代育成の課題はその範囲では解決、対応が難しくなっています。第4次5ヵ年計画(2005〜2009年度)では、「子育て支援」を主要なテーマとし、本格的な運動と事業の取り組み開始を方針化しています。現在、「子育て支援地域展開モデル作成プロジェクト」を立ち上げ、これらの課題を整理し、事業化モデルの作成を進めています。(2005.8 南雲)


●懇談会「介護保険改革と自治体の対応」について 

 2月22日、福祉クラブ「ローカル・ユニット推進会議」主催による「介護保険改革と自治体の対応について」と題した懇談会が、講師に「かながわ福祉サービス振興会」瀬戸恒彦専務理事を迎えて、福祉クラブ理事を対象に行われました。瀬戸氏による表題の講演を受けて、活発な意見交換がなされ、実りある懇談会となりました。

「新予防給付」というサービスの抽象的な位置付け
 2006年4月にスタートする改定後の制度では、介護度の認定区分が変わり、従来の要支援と要介護1の一部の人が新たに設けられた要支援1と2に区分されます。要支援1・2と認定された人へのサービス給付は「新予防給付」と名付けられ、この新サービスのプランを立てるのは従来のケアマネジャーではなく「地域包括支援センター」という新設の機関が行うことになります。施行は、同年4月を原則としていますが、「地域包括支援センター」の設置等の体制が整わない市町村は、07年度末までの2年間の間で、「条例」(住民の意思のもと)で定める日まで、施行を延期するとしています。各自治体が実施主体を担う「地域包括支援センター」には「運営協議会(仮称)」が設置され、そこで住民の意思を反映し、各地域別の課題を図って、財源は介護保険給付費の3%を上限とした「地域支援事業計画」を策定します。各自治体と市民の力量が、その地域の福祉サービス水準を決定付けることになり、自治体ごとに格差が生じてくるのは必至です。

複雑で独自性の高い地域支援事業を支える保険料の値上げは
 「地域包括支援センター」は独自の基準で事業者を選定してマネージメントやサービス提供をすることで地域支援事業の「介護予防事業」を担います。したがって、「利権争い」に発展していく可能性も憂慮されます。一方、複雑で自治体独自の選択肢の多いこの制度を維持していくために、住民の保険料がどこまで跳ね上がるかも危惧されます。

地域支援事業計画に参画し、コミオプ福祉の社会化をめざす
 「地域支援事業計画」は、06年2月の予算審議までがリミットになるので、行政が市民の意思を把握する準備期間が限られてしまうことも予測できます。この懇談会でも改定介護保険の「生活圏域を単位とする地域密着型サービス」等あいまいな表現や具体的な対応の見えにくい自治体の取り組みについて質問が続出しました。
 問題山積の介護保険改定に伴う自治体の福祉政策の大きな転換期を迎えた今こそ、豊かな地域づくりを進めてきた福祉クラブの実践・実績を生かす時です。一人ひとりの多様なニーズに対応するコミュニティオプティマム福祉を社会化するためにも、「運営協議会(仮称)」への参画を含め、早期に対策を立て、活動に反映させていくことを改めて確信した懇談会でした。 (2005.5 長谷川)

このページのトップへ


●フォーラム 「移動自由の社会をめざして」
〜動き出す運営協議会、その役割〜 

 1人での外出が困難な人をサポートする福祉移動サービスは、車を使用するという点でタクシーと同様の道路運送法の範疇で議論されてきました。国が示した福祉移動サービスのガイドラインは、行政主宰の運営協議会によって運用が始まりますが、市民が行う非営利な活動をどう位置付けていくのか、山積した課題がフォーラムから見えてきました。

「移動」における地域のたすけあいはどうなっていくのか
 「団体は法人格を取ること、活動は福祉車両に限ること、利用者は要介護認定者と障がい者など移動困難者、運転者は二種免許を有さない場合は研修を受けること…」ガイドラインには、たくさんの指針が出されました。
 神奈川県福祉部は全国に先駆け、(※)自家用車の使用を認める特区を申請し、市民活動を支援する姿勢を見せましたが、多くのボランティア団体は、法人格を取ることを躊躇しています。法人としての税負担や、サービスの担い手の高齢化による先行き不安などがその理由です。
 「送迎活動を止めてしまおうか」会場からのそんな深刻な発言に対し、地域のボランティアをまとめる各区の社会福祉協議会も困惑し、事態の解決に主体的に関わることを明言できない現状です。
 今まで地域の外出支援の担い手であったボランティアや市民事業を、ガイドライン指針に沿ってどう定着させ、広げていくのか。行政の指導力、社協の役割、市民の自立した姿勢が問われているように感じました。

運営協議会の役割は
横浜市では、「福祉有償移動サービス運営協議会」が設置されました。バリアフリーが言われ、駅のエレベーター設置や、福祉車両も増えてきました。それでも誰もが自由に外出を楽しむことは、まだ難しい。イギリスなど先進都市に比べると、市民による外出支援はまだまだ活動として未整理で行政からも認知されているとは言えません。
 運営協議会は活動団体を審査する場としてスタートしますが、将来、地域の交通政策を協議していく場となり、地域のボランティアや、市民事業、非営利・協同のたすけあいがたくさんある社会をつくるための「推進力」になってほしい―そんな新たな課題を発見したフォーラムでした。 (2005.4清水)

このページのトップへ


●福祉事業連合フォーラムに参加
2015年を自分たちの手で描こう

 世界に類のない早さで高齢社会を形成している日本。2015年には4人に1人、2050年には3人に1人が高齢者という時代がきます。これは高齢者の寿命が延びたことだけでなく、団塊の世代以降生まれる子どもの数が徐々に減ってきたことが大きな要因です。寿命の伸長に合わせて増えていた総人口も2006年には減少に転じ、現在の出生率1・29で推移していくと、3000年には日本人はこの地球上から消えてしまう計算になります。

出産・育児の環境整備こそが安心な社会を持続させる
 女性の社会参加・進出等と言われて久しいのですが、結婚して子どもを生み育てる環境の整備は遅れています。まだまだ「子どもは母親が育てるもの」とされていて、その意識改革も進んでいません。少子化に歯止めをかけて、ゆるやかな出生率の上昇を望み、限りなく出生率2・0に近づける努力がないと安心な社会を築き続けることは難しくなります。

子育て支援は世代を越えた参加で
 核家族化が進んだ現在では、3世代生活の復活はあまり現実的ではありませんが、子育てをコミュニティづくりの中心に位置付け、若い世代が安心して子どもを生み育てられる環境の整備を行う必要があります。
 お父さん、お母さんが生き生きと心配なく働き、子どもが元気に育つ地域にするにはいくつかの課題が見えます。│産前産後の支援、育児相談の支援、乳幼児の保育、幼稚園生の延長保育、小学生の学童保育、中学生の溜まり場等々│。
 また、これらの課題は個別に解決方法を考えるのではなく、一体化して捉えることも重要な鍵になると思います。例えば、世代間交流ができる大きな家族として…、隣のおじさん、おばさんとして…。

「たすけあい」はおもしろい! 
 定年退職し、地域社会の一員として顔の見える関係の中で、新たな地域づくりに積極的に参加して、自らの新しい生き方を始めている人々も多くいます。これからの20年、30年という時間、あなたは何歳で何をしていたいのか想像してその姿を描いてみませんか?人との関わりは結構面白いと思える「たすけあい」に足を踏み入れてみませんか? (2005.3 渡辺)

このページのトップへ


●もう1つの住まい方研究大会
 住まい方を暮らす立場から提起する 

 昨年の12月9日、横浜市開港記念会館で(特非)参加型システム研究所による研究大会が開催され、「超高齢・少子社会の住まいと住まい方を暮らす立場から提起する」と題して、さまざまな報告がありました。

 この大会の開催趣旨は、暮らす立場である私たちから住まいを考え、日頃実践している方々の情報や経験、実績を聞き今後の活動に生かしていくというものです。基調報告では、数々の福祉事業を立ち上げ、推進し、現在はかながわ福祉サービス振興会企画委員をしている今瀬俊彦氏から「施設から住まいへ、その市場の動向」と題してお話がありました。今までの「生活の場」は収容型としての施設か在宅の二者択一でしたが、介護保険施行後、痴呆型グループホームの急増とともに「暮らし」という視点からユニットケアやケアハウスなど、それぞれのライフスタイルに合った「住まい」が広がりを見せているとのことでした。
 この後の、7つの分科会は、以下のテーマで進められました。
〈第1分科会〉多種多様な住まい方における実践と新たな可能性を拓く
〈第2分科会〉既存の「コミュニティ資源活用」=住宅の改装開発及び資金調達
〈第3分科会〉小規模多ニーズ対応複合住宅・施設を地域の福祉拠点に
〈第4分科会〉「使用権」付住宅の「住み替えシステム」
〈第5分科会〉本当の健康を取り戻す家〜「シックハウス対応」を越えて
〈第6分科会〉参加型「自主管理共同住宅」へのトライ
〈第7分科会〉野宿生活者ホームの社会化を拓く
 この中で、第1分科会では福祉クラブ・田川理事長より「『コア北鎌倉』建設の基本コンセプトと現況」というテーマで、「コア北鎌倉」は福祉クラブ生協設立主旨の具体化として、また15年の運動と事業の集大成と到達点として成り立っていること、そして新たなコミュニティオプティマム福祉の領域を拓く拠点として活用し、今後もさらに運動を進めていくことなどの報告がありました。
 全体を通して「住まい」のあり方はそれぞれのニーズにより多種多様ありますが、どんなに素敵な建物であっても、その「住まい」をサポートしていくメンバーの「受けたいサービスが提供するサービス」の姿勢が何にも勝ると再確認できた大会となりました。 (2005.2 酒井)

このページのトップへ


●「2004神奈川県生協大会」が開催されました

 県内の生協が加盟する県生活協同組合連合会の「2004神奈川県生協大会」が10月14日、横浜市中区のかながわ労働プラザ・多目的ホールで開催され、17生協154人が参加しました。この大会は年1回、生協間の交流などを目的に開催されています。

 基調フォーラムは「市民がつくる参加型地域福祉計画と参加型ケアマネジメント」とし、地域福祉市民計画をつくった主旨及びユニット活動の全体状況の説明があり、横浜南部ユニット「個々人が地域の中で豊かに暮らすためのまちづくり」、藤沢ユニット「非営利・協同の理解を深めるための行政との協議」とローカル・ユニット事例報告がありました。
 午後の分科会は次の内容でした。
〈第1分科会〉「介護保険だけでは暮らせない」│地域で安心して暮らすため、それぞれの活動の成果と問題提起に基づき今後の課題を模索する。
〈第2分科会〉「介護保険制度見直しを考える」│5年ごとの見直しの概要が見え始めた今、現場の現状を共有しながら、これからの介護保険のあり方を検討する。
〈第3分科会〉「地域ぐるみの子育て」│家庭だけでは解決できず多様化している子育ての多くの問題について、これからの地域ぐるみの子育ての可能性を現場のさまざまな立場から考える。
〈第4分科会〉「心豊かに住まうための試み」│昨年に引き続き、コミュニティ資源を活かした高齢者の住まいがこの1年どのような拡がりをしてきたか、実践例を共有しながら住まい方について考える。
〈第5分科会〉「食と健康」│食育や地域における配食サービスなどから見える食の問題を整理し、これからの食のあり方、食の自立などに対する新たな取り組みを考える。
〈第6分科会〉「たすけあい・ささえあい」│地域で心豊かに住み暮らすためには、地域福祉の不備を誰かのせいにするのではなく、自分ができるたすけあいをすることで自分も支えられる。そんなまちづくりを発信するための共育の場として可能性をともに考える。
 これからも参加型福祉の実践のもとに、地域福祉市民計画を「つくり・変え」ながら元気と笑顔の広がる地域社会をめざして、参加型福祉マネジメント研究大会等で共有化し、新たな一歩を確認していきます。(2004.12 兼子)

このページのトップへ